科学的な乳児の発達目安表はないの?【日本版デンバー式発達スクリーニング】
できることは増えているけど、発達は遅れてないよね?自宅保育だし、同年代の子と比較できないし…
育児本の発達表で何となくの目安はあるけど、厳密にはどのくらい進んでいるのかな?
と疑問に思ったことはないでしょうか?
私はあります。笑
だいたいの目安はあるけど、数字じゃないし、早いのか遅いのかよくわからない…
…と疑問に想いました。
そんな悩みを抱える貴方にご紹介したいのが「日本版デンバー式発達スクリーニング検査」です。
結論:日本版デンバー式発達スクリーニングは統計的な発達指標
下記の表が「日本版デンバー式発達スクリーニング検査」です。
出典:前川喜平『写真でみる乳児健診の神経学的チェック法 改訂6版』南山堂, 2003, p110
この表を理解するポイントは4点です。
- 乳幼児の発達を『個人―社会』『微細運動―適応』『言語』『粗大運動』の4領域に分類して、年齢別に発達速度を示している
- 横棒は通過率(上位何%が達成するか)を示しており、緑と青の境目は上位75%(つまり、下位25%以下)を表す
- 本来の用途は、潜在的な発達遅滞や発達障害の可能性を早期に発見するため簡易的にスクリーニングすることを目的とした検査
- 注意事項は、公表は1980年と古く、あくまでも簡易的な参考程度に利用すべき
それでは、解説を加えていきます。
なお、信頼性のある記事は、独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所のHPを御覧ください。
/http://forum.nise.go.jp/soudan-db/htdocs/index.php?key=muw7g4kzh-477
幼児の発達を「個人-社会」「微細運動-適応」「言語」「粗大運動」の4領域に分類
各項目の内容は下記の通りです。
- 個人―社会:自分の判断で行動を決定するまでの過程
- 微細運動―適応:手を使って道具を使えるようになるまでの過程
- 言語:言葉を話すようになる過程
- 粗大運動:体が自由に動くようになる過程
横棒は通過率で、緑と青の境目は上位75%(つまり、下位25%以下)を表す
一番注目してほしいのが、通過率の数字です。
研究で調査した赤ちゃんのうち、何%が何歳のときに項目を達成できたかを表しています。(残念ながら母数は不明)
左から上位25%(平均より早い)、50%(平均)、75%(平均より遅い)、90%(発達障害の可能性を疑う)という目安です。
そのため、何歳のときに、何をできたかの速さを数値で知ることができます。
本来は潜在的な発達遅れ/障害の可能性を早期に発見するためのスクリーニング検査
本来は、潜在的な発達遅滞や発達障害の可能性を早期に発見するため簡易的にスクリーニングすることを目的とした検査です。
そのため、個人が発達の速さを理解するために有効なツールではあるものの、本来の用途ではないことはご理解ください。
あくまでも、数値で平均との比較をしたい場合の参考情報です。
注意事項は、公表は1980年と古く、あくまでも簡易的な参考程度に利用すべき
3点目の注意事項に加えてですが、本表が発表されたのは1980年と約30年以上前です。
これは長年利用されていきた信頼の証とも捉えることもできますが、やはり数値を伴った研究がなかなか実施されないことの裏返しだと個人的には考えています。
30年も経つと、環境は変化していくため、同じ数字を信じてよいかと思うと疑問が残ります。
そのため、あくまでも参考程度に利用すべきだと考えています。
また、平均より遅れている場合、かえって心配になってしまう可能性もあり、向き合い方には慎重になるべきだとも思います。
まとめ:注意事項はあるけど、数値で発達を理解できるツールは有効
注意事項はありますが、それでも発達速度への漠然とした不安を解消するには有効な表です。
各項目を見れば「次にできるようになるのは、これか」という先の成長を予測できます。
例えば、微細運動で「積み木を打ち合わせる」ができるようになったら、「次は『コップに積み木を入れる』か。じゃあ、空いているプラスチックのコップを用意して、積み木の近くに置いておこう」というように知育の準備に使うことができます。
我が家は、0-1歳は保育園に行っておらず、長男だったため比較する幼児がいませんでした。
そのため、同じような境遇の方には、参考になる表だと思います。
皆様の知育計画のお役に立てれば幸いです♪
“科学的な乳児の発達目安表はないの?【日本版デンバー式発達スクリーニング】” に対して1件のコメントがあります。