1歳6ヶ月が話せる平均単語数は4〜10語【論文紹介】

少しずつ1歳6ヶ月の子供がしゃべるようになったけど、他の同い年の子どもはどのくらいおしゃべりができるのだろう?と疑問に思ったことはないでしょうか?

1歳6ヶ月の子はどのくらい話すのかな?

という疑問を解消できる論文をご紹介します。

結論:全体の48.7%は10個程度

出典:山根律子『1歳6ヶ月児における表出語彙数と前言語期の相互作用との関係』
The AGU Journal of Psychology 2004 vol.4, 2004

この表を理解するポイントは3点です。

  1. 1歳6ヶ月と2歳6ヶ月で話す語彙数の分布を示している。
  2. 1歳6ヶ月児の最頻値は③10個程度で48.7%である(つまり、一般的には話せる単語数は10個
  3. ④50語未満は約28.5%、⑤50語以上は約7.1%である(*④⑤は論文に数値の記載がないためグラフからの目測)

論文自体の説明

引用元は「1歳6ヶ月児における表出語彙数と前言語期の相互作用との関係」という論文です。(タイトルが難しい…)

著者は山根 律子教授(青山学院大学)です。

あくまでも調査内容の一つのデータとして扱われている表のため、本論を確認されたい方は出典をご覧ください。

1歳6ヶ月児の母集団は、350名(男児170名、女児180名)。個人的には十分なサンプル数が取れている調査だと思っており、信頼性もあると考えています。

表から分かること

やはり、350名もの母集団が整っている研究調査は、全体像が掴め一般的な傾向を示していると思います。個人の体験談は個体差があり、まさに「人それぞれだよね」「個性だよね」で終わらない学術的な意味があります。

統計的・事実に基づいた育児・知育は、再現性があると考えています。

さて、あらためて表を見て分かるのは、1歳6ヶ月児の最頻値は③10個程度で48.7%である。つまり、10個近く話せていれば一般的だということです。

次に単語数の多い項目を見ると、④50語未満は約28.5%、⑤50語以上は約7.1%でした。なので、50個以上話せればは成長が進んでいると言えるでしょう。

なお、注意としては論文中に各項目の数値はないため、私が表の長さを測っておおよその数値を算出しています。

男女差は考慮すべき

ただ、気をつけるべきは男女差です。本論文では男女別の集計はなかったので、あくまでも男女混合での平均値の紹介しかありませんでした。

「女の子はよくしゃべる」という説は、過去の研究でも支持されているようで、

1歳6ヶ月時点での使用語彙数は、男児に比べ語彙数の多いものが多く、ことばが遅いものに男児が多いとするこれまでの知見「Rescorla & Alley, 2001)を裏付けた。

山根律子『1歳6ヶ月児における表出語彙数と前言語期の相互作用との関係』 The AGU Journal of Psychology 2004 vol.4, P61, 2004

そのため、女の子の平均値は10個程度よりも高く、逆に、男の子は低い可能性が高いため、参考としてご利用ください。
 

まとめ

結果としては、最頻値は「10個程度」で48.7%でした。

やはり疑問に思ったときは、悩む前に「きっと誰かが同じ悩みを持っているだろう」と考え、先人の知恵を借りるのは大切です。

今回は特に科学的根拠がある、査読済論文だったので、信頼性もあると思います。

本記事が、皆さんの悩みを解決できれば幸いです。

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